糖尿病とお酒

糖尿病とお酒

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お酒は糖尿病患者にとって避けなければならない飲み物のような気がする。
しかし、酒だからと言って悪者扱いする必要はなさそうだ。というのも、お酒でも糖尿病に悪いものとそうとは言えないものがある。

その例がウォッカだ。ロシア人のウォトカ。
ロシヤや中東などで広く飲まれている蒸留酒である。ちなみにウォトカは英語のウォーターと同じ語源らしい。
と言うのも、なんども白樺の炭でろ過するため、無味無臭無色だからだそうだ。

無味無臭無色だから水と同じというのも良くわからないが、そうらしい。

ではなぜウォッカなどの酒が糖尿病に別に悪くないのかと言うと、それは血糖値をあげないからだ。
ウォッカは血糖値を上げない。糖分が含まれていないためだ。

別に血糖値を上げないお酒はウォッカだけではない。ブランデー、ウイスキー、などの蒸留酒は糖分を含んでいないため、血糖値を高める心配はないのだ。

こうすると、肥満の問題が出てくる。日本人の糖尿病の9割が肥満を原因とする2型糖尿病だから、こう考えてくるとやはりアルコールは糖尿病に悪いのだろうか。

食べ物や飲み物の糖尿病への影響を測る概念として、GI値と言うものがある。これは、その食べ物や飲み物が体内において糖分に変換され、血糖値が上昇していくまでの速さを計測したものである。GI値が高いと血糖値の上昇が急であり、低いと緩やかな上昇となる。実はお酒は、GI値は低いのだ。たとえばビールにしても日本酒にしても焼酎しにしてもGI値は30ほど。一方で白米のGI値は81、食パンは91だ。同じ量の酒と白米なら、酒のほうが血糖値を上げにくい。だからといって酒を飲むことを薦めはしないが(炭水化物がないと人は動けないが酒はなくても良い)、意外な事実である。同じ酒類でも、ビールや日本酒は糖質が多いため、やはりウォッカやウィスキーなどの蒸留酒のほうがマシだ。

アルコールという大問題

ただし、注意しなければならない。
いずれにしろ、アルコールは体に悪いのだ。そして、糖分を含まないから血糖値を上げないにしても、別の意味で糖尿病に悪影響を及ぼすことがある。

具体的にどういった悪影響があるのかというと、アルコールがインスリンの分泌を阻害したり、 働きを阻害したり、糖尿病の薬を飲んでいる場合は、肝臓の分解が強まるため低血糖を起こしたりする。また、動脈硬化や心臓病といった合併症を悪化させるおそれもある。

冒頭でお酒でも糖尿病に悪いものとそうでないものがあると書いたが、お酒を飲むときは主治医に相談が必要だ。

アルコールはカロリーが高い

上であげたアルコールの悪影響に加えてもう一つ心配事がある。
アルコールはカロリーがある。アルコール度数が高ければ高いほど、カロリーも高くなる。

例えば焼酎コップ一杯では250kcal、今回のお題であるウォッカは、これが意外に高く、100gで250kgほどある。

250kcalといったらどれくらいかと言うと、お椀にご飯を一杯盛ったような感じだ。
食事にプラスしてウォッカを飲むということ、それはつまりご飯一杯追加で食っていることに相当する。

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